夏の力強い日差しが降り注ぎ、蝉の鳴き声に沸く今日この頃。
皆さんはいかがお過ごしだろうか。
今回のテーマはゴミ問題とAIについてだ。
はじめに
皆さんはAIについてどのようなイメージを持っているだろう。最近では、ChatGPTや画像生成AIなどの登場により、その存在が一気に身近になった印象があるのではないだろうか。そもそも、AIとは”artificial intelligenc”の頭文字を取った言葉で、一般社団法人人工知能学会では「大量の知識データに対して、高度な推理を的確に行うことを目指したもの」と定義している。そんな、少し小難しいように感じるAIだが、ゴミ問題の改善に役立てようという取り組みがあるのはご存知だろうか。この記事では、その例を紹介しつつ、筆者が実際にChatGPTや画像生成AIに触れた経験から展望や考察を行なっていきたい。
第三次AIブーム到来
まず、AIについて少しながら説明しておこう。現在は第三次AIブームと呼ばれる時代が到来しており、ディープラーニングという手法を用いて社会の様々な側面でAIを実用化できるようになっている。特に画像データを用いて、特徴を認識する技術は医療や農業、社会問題など様々な側面で利用されており、環境問題やゴミ問題への応用も期待できる。次章では、資源ゴミの分別と海洋プラスチックを例に挙げて説明してゆく。
AIによるポイ捨てゴミ問題の貢献
都市でのポイ捨てゴミは、川で流されて最終的に海に流れ着き、マイクロプラスチックとなる。それを未然に防ぐためにも、ゴミ拾いが行われるわけだが、最近では街で捨てられているゴミの分布図を作成しようという、取り組みが環境省とスマホアプリ「PIRIKA」によってなされている。これは、アプリ利用者の投稿を元データにして、AIに学習をさせようというもので、特別な計測器を持たずに参加でき、大量のデータによって信頼性が担保されるという利点がある。また、海に流出してしまった海洋プラスチックの定量化を図るため、ドローンや定点カメラを用いて海岸部を撮影し、その画像データをAIに読み解かせることで、どの程度プラスチックが漂着しているのかを調べる手法もある。この方法を応用して、富士山の麓で自転車を走らせながら撮影を行い、持ち帰ったデータからAIがゴミの分布図を作成する活動も行われているようである。このように、ポイ捨てされてしまったゴミのデータ化や回収する作業でAIの活用が進んでいるのだ。
おわりに
なぜ、私がAIとゴミ問題の記事を書こうと思ったのかと言えば、大学の授業でChatGPTに絵本を作らせようとした経験が大きかったからだろう。人間に共感的に寄り添うことが難しく、物語の細部を繋ぐことが未熟な一方で、選択肢を与えたり、人間にとって補佐的な役割をすることには長けている特性から、環境問題の改善に応用されている例はないか興味を抱いた。実際にこの記事に挙げたような取り組み以外に、外来種の分布図作成や絶滅危惧種の保護、森林伐採の監視や気候変動の予測などがあり、環境保護分野での活用も期待できる。現在では、様々な分野に於いて、AI危機を提唱する声が上がっているが、私が触れている限りでは、あくまで人間の道具という範疇を越えずに新しい時代を切り開くものになる可能性が高いように思われる。気候変動や環境汚染が刻々と深刻化する今日に於いて、AIを環境問題改善に積極的に活用していくことは、私たちの道を飛躍的に切り開くファクターになりえるのではないだろうか。
Byeゴミプロジェクト役員
松田龍之介
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