春になり桜が咲きましたね!
さて、今回のテーマは「火力発電でも脱炭素!?二酸化炭素貯留技術「CCS」」という内容で豆知識を書かせていただきます。よろしくお願いします!
二酸化炭素貯留技術「CCS」
水素や再生可能エネルギーなど様々な試みが行われている昨今、アジアでの脱炭素化の実現に欠かせない技術が二酸化炭素貯留技術「CCS(Carbon dioxide Capture and Storage)」です。
この技術は工場や発電所から排出される排出ガスから二酸化炭素を回収し、地下深くの貯留槽という地層に貯留する技術です。
二酸化炭素を空気中に放出せず地中に溜めることで、従来の火力発電所を脱炭素化するという試みです。
日本国内での貯蔵可能量は1461億トンと推定されており、数100年間は貯留スペースが足りなくなる恐れは無いようです。
CCSは、2015年のパリ協定で目標として定められたCO2削減量のうち、約14%をこのCCSが担う事となっており、2020年に経済産業省が策定した「2050年カーボンニュートラルに伴うグリーン成長戦略」の資料にもCCSが明記されています。
貯留されるまでの高いハードル
二酸化炭素を貯留するためには、当然ながら空気中の様々な物質から二酸化炭素のみを分離させ、回収する必要がありますが、現在の技術ではかなり高コストとなっています。
現状では1トンの二酸化炭素を分離回収するごとに4200円のコストが発生します。2019年度に、国内の発電所が直接排出した二酸化炭素排出量は約4億3200万トンですので、全て回収すると毎年約1.8兆円近くもかかるようです。毎年オリンピックを行うくらい必要ですね。
回収した二酸化炭素の活用
単に貯蔵するのみでは高コストですので、昨今ではこの回収した二酸化炭素を貯留する過程で様々な利用も想定されております。この回収・貯留した二酸化炭素を活用する試みを「CCUS(Carbon dioxide Capture, Utilization and Storage)」といいます。
例えばこの回収した二酸化炭素をポンプ代わりに使用し、石油や天然ガスの再採掘が行なわれているほか、産業ガスやバイオマス製品など、様々な製品の生産に利用されています。
排出ゼロの火力発電所へ
上記の回収技術を活用すると、二酸化炭素の排出ゼロの石油、天然ガスを生産することも可能かもしれません。二酸化炭素の分離吸収のほか、再生可能エネルギーや森林保護等で二酸化炭素を回収しながら採取された天然ガスは「カーボンニュートラルLNG(CNL)」と呼ばれます。
CNLは、実際に順天堂病院やホテルニューオータニ等のホテル、病院等で徐々に導入されているほか、東京駅前の丸の内周辺で使われる地域冷暖房プラントでは全てCN都市ガスが使用されている等、国内での普及が進みつつあります。
CNLと二酸化炭素の回収技術を活用することで、火力発電所も脱炭素を実現することが可能になるかもしれませんね!
まとめ
CCS、CCUSは既存の火力発電所や工場から排出される二酸化炭素を回収することで脱炭素の実現に近づけるほか、二酸化炭素を活用する動きも活発になります。
現状のネックはやはり二酸化炭素の回収コストになります。新しい分離回収の確立によってコストの削減に向けた研究が行われています。これが実現すれば、これまで矢面に立たされていた火力発電の印象が大きく変わるかもしれませんね!
出典
資源エネルギー庁「知っておきたいエネルギーの基礎用語 ~CO2を集めて埋めて役立てる「CCUS」」
資源エネルギー庁「高いポテンシャルのあるアジア地域のCCUSを推進! 「アジアCCUSネットワーク」発足」
全国地球温暖化防止活動推進センター「日本の部門別二酸化炭素排出量(2019年度)」
ホテルニューオータニ「ホテル業界初となるカーボンニュートラル都市ガスの供給開始について」
学校法人順天堂「順天堂と東京ガスによるカーボンニュートラル推進に向けた取り組みについて」
東京ガス「国内最大規模となるカーボンニュートラル都市ガス導入」
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