5月はG7広島サミットが開催され、ウクライナのゼレンスキー大統領が急遽来日する等、国内外で大きく話題を呼ぶ会合が行われました。
実はその前月に、札幌でG7各国の環境、エネルギー大臣が集まるサミットが開催されていたのをご存知でしょうか?
今回は「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」について解説していきます!
気候・エネルギー・環境大臣会合とは?
「G7札幌気候・エネルギー・環境大臣会合」とは、2023年4月15日(土)~16日(日)に北海道札幌市で開催された、G7各国と招待国の気候・エネルギー・環境大臣が集まり、グリーントランスフォーメーション(GX)のグローバルな推進等について話し合う会合です。
参加国は、日本を始め主要国G7のアメリカ、イギリス、カナダ、フランス、ドイツ、イタリア、そしてEUと、招待国のインド、アラブ首長国連邦、インドネシアとなります。
この会合では、パリ協定の精神を踏まえ、産業革命以来の化石燃料中心の経済・社会、産業構造をクリーンエネルギー中心に移行させ、さらに、炭素中立、循環経済、自然再興を統合的に実現するため、経済社会システム全体の変革であるグリーントランスフォーメーション(GX)のグローバルな推進等について議論しました。
また、昨今の国際情勢によるエネルギー価格高騰などの足下のエネルギー危機への対応や、石炭・天然ガスなどの化石燃料の廃止や、福島第一原子力発電所ALPS処理水の海洋放出等についても議論しました。
何が決まった?
この会合では欧州連合(EU)を含む主要7カ国によって「共同声明」が採択されました。
これまでの会合で合意した政策の確認に加え、
・海洋プラスチックごみによる新たな汚染を2040年までにゼロに。
・廃止時期は明記しないものの、化石燃料の段階的廃止を目指す。
・2035年までにG7国内車両からのCO2排出を50%削減する。
・ALPS処理水に関するIAEAの独立したレビューの支持
・グリーン市場の実現。
・「G7ネイチャーポジティブ経済アライアンス」の立ち上げ。
・国・都市・地域・産業・ビジネス・ライフスタイル等の多様な切り口からGXの推進。
等を含めた93項目がまとめられています。詳しい内容は以下の環境省の採択文書や経済産業省による要点がまとめられた文書等がありますので、興味がある方はこちらも確認してみてはいかがでしょうか?
https://www.env.go.jp/content/000127829.pdf
https://www.meti.go.jp/press/2023/04/20230417004/20230417004-3.pdf
まとめ
前月に主要7カ国のエネルギー・環境大臣による環境、エネルギー政策、GXの推進等を話し合う会合がありました。
化石燃料の廃止時期や原子力発電の推進等国家間で意見が分かれ、最終的には多様な道筋でのカーボンニュートラルの実現といった結論になりました。
G7での会合はまた来年イタリアで行われます。その時にはどんな動きがあるのか楽しみですね!
出典
G7札幌 気候・エネルギー・環境大臣会合 (METI/経済産業省)
https://www.meti.go.jp/information/g7hirosima/energy/index.html
執筆者:大佐
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